ご挨拶

住職 釋 龍生

 新年あけましておめでとうございます
 今年もよろしくお願い申し上げます

 年末の恒例になった京都の清水寺で発表される今年を象徴する漢字、去年は「災」でした。
 去年は日本各地で地震や台風など大きな災害が発生しました。岡山県にとっても未曾有の大災害、平成30年7月豪雨が発生しました。専教寺でも当町や隣町が被災して、約50軒のご門徒が被害に遭われました。被災された皆さんに、あらためてお見舞いを申し上げると共に、関係各位に対して、一日も早い被災した町の復興と、被災者への将来的に持続する充実や安定した支援、また早急な河川の整備を要望します。
 また、去年は専教寺にとってうれしいニュースもありました。長男の誕生です。去年の秋の寺報でお知らせしましたが、6月13日に生まれました。名前は「照(あきや)」です。私と同年の方の中には、お孫さんがおられる方もいて、私も孫がいてもおかしくない年齢ですが、この長男の誕生に、今まで味わったことのない嬉しさと、新たな家族を守っていく覚悟に身が引き締まる思いを経験することができました。
 生まれて半年が過ぎて、まだ喋るといっても「アー」「ウー」ぐらいなもので、一緒に本堂にお参りしてもお念仏は申せませんが、坊守に手を持たれて合わせる合掌の姿に、「この子も阿弥陀さまのお救いのおはたらきをいただいているんだな」と実感します。
 仏教ではこの世は諸行無常、この世は常ならぬと説き、世間では人生を歩んでいく有様を、時代劇の主題歌のように「人生楽ありゃ苦もあるさ」と表現します。長男の人生の上にも例外無く、喜び、幸せを実感する時もあれば、悲しみや苦しみに喘ぐ時もあるでしょう。しかしどんなことがあっても、私は長男の親として、坊守とともにこの子に寄り添い続けながら、家族で、その喜びや悲しみを共有し合って、支え合い、そしてお念仏申す人生を歩んでいきたいと思っています。

坊守 佐々木 ひろみ

 あけましておめでとうございます
 本年もよろしくお願いいたします

 昨年7月の豪雨災害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。早い復興を願っております。
 専教寺では、6月に長男が誕生しました。ご門徒の方々には、お祝いの言葉をかけていただき、ありがとうございました。息子は生後6ヶ月になりました。その成長に驚いたり、喜んだりする日々です。
 私は、朝早くから夜遅くまで仕事に出ていたので、平日の明るい時間帯に近所を歩くことは、これまでほとんどありませんでした。今は、育児休業中なので、息子を連れて散歩をしながら買い物に行ったりします。すると、改めて気づかされることもたくさんあります。
 例えば、買い物に行くと、知らない方が息子に声をかけてくださいます。息子は、人に会うのが楽しいらしく、うれしそうに、にこにこ笑います。自然と私も笑顔になり、いろいろな方とお話しする機会に恵まれました。
 また、車で買い物に出かけて店へ入った時のことです。二つの店で、機嫌のよかった息子が、突然泣き出しました。1軒目は、おしゃれな雰囲気作りのために、照明を暗くしていました。それが不安だったようです。2軒目は、明るい雰囲気作りのために、音楽を大きな音量でかけていました。それにびっくりしたようです。それらは、店の工夫であり、もちろん悪いことではないのですが、赤ちゃんにとってはしんどいことだったのだと気づきました。家でも、やっと寝たところにも関わらず、私が突然電話に出た声で、びっくりして起きてしまったことがあり、反省しました。
 知らない方が優しく声をかけてくださるように、今まで私は人に気を配れていただろうかと思います。また、気にも留めなかったことで、自分自身がだれかに迷惑をかけていたこともあったのではないだろうか、と考えました。
 一歩外へ出れば、年齢や立場のちがう人たちにたくさん出会います。今年は、少しでも多くのことに気づき、気を配れるようになりたいと思います。
 以前、小学生に、「赤ちゃんのグーの手の中に何があると思う?」と聞かれたことがあります。うーん、何かなと考えていると、「幸せをにぎってるんやで。」と、その子が教えてくれました。
 今、息子の手を見ながら、時々この話を思い出して、幸せな気持ちになっています。

総代長 古城 哲夫

 明けましておめでとうございます
 ご門徒の皆様におかれましては、さまざまな思いで新年をお迎えのことと存じます。
 専教寺護寺に関しまして、常にご理解ご協力を賜りまして有り難うございます。

 昨年7月豪雨により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
 当専教寺では、50戸近いご門徒が被災されました。大水からの脱出、避難、片付けと、真夏の大惨事となりました。
 いろいろな方面から支援の手が差しのべられ、ご門徒の方々も次々と物資を本堂に持ち寄って下さいました。専教寺ご住職も、安否確認、被害状況の把握、物資の搬入、ボランテイアの要請等、東奔西走され、私も物資搬入に同行させていただきました。機器、家具、衣類、生活用品等の多くを失い、家屋の損傷も激しい惨状です。
 仏壇を失った方には、要望に応じ、ご本尊の無償交付を本山に申請され、ご住職は当面のお給仕のための仏具などを贈られて、「毎日、仏様にお参りできる」と安堵されたご門徒も、多くおられたと聞いています。専教寺護寺会は、義援金を本山に送り、当仏教婦人会は、支援物資搬入、調達発送に取り組まれました。
 10月には、西本願寺のご門主が、被災状況視察にこの地方を訪問され、被災寺院の本林寺( 笠岡市) でご面接が行われました。その際、参列した被災者に、お見舞いとねぎらいのおことばを賜り、私共は力づけられ有り難く思いました。
 今なお、多くの方が、仮設やみなしの住居などで、不便なくらしを続けておられます。寒くなり健康面も心配されます。
 そんな中で「多くの方の支援のおかげで、生きることができた」と感謝の心を持って、前向きに立ち上がられている方に頭が下がります。被災された方々の一日も早い復興を願います。
 さて、専教寺で勤修される行事、法要は、皆様のご奉仕、参拝によって滞りなく営まれ、ご苦労の中におられる方ともいっしょに、ご法話を聞くことができ、有り難く思います。この温かいお聴聞の場を、大切にしてまいりたいと思います。
 皆様のご健康を念じ、今年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

仏婦会長 石井 町子

 新年明けましておめでとうございます
 ご門徒の皆様にはお健やかに新しい年をお迎えになられたことと存じます
 本年もどうぞよろしくお願いいたします

 昨年中、仏教婦人会では、法要・奉仕作業・研修会等諸行事に多数の方のご参加、ご協力をいただき感謝しています。
 顧みますれば、平成30年は、本当にきびしい受難の年、漢字一字「災」が選ばれました。全国各地で自然災害が発生しました。災害が少ないと言われてきた岡山県の真備町、そして矢掛町などの多くのご門徒の方々が災害に遭われたと聞いています。お見舞い申し上げます。
 先般の専教寺寺報で、住職さんと真備町の方の赤裸々な被害状況がつづられていました。繰り返し読ませていただき、心が痛みました。私事ですが、年末に数人の同級生が集まって、会食しました。その日、真備町で被災した友が参加していました。彼女は、お店が災害に遭い、ボートで避難する時、真備町の方も書いておられましたが、井原線の高架橋の下をくぐる時に、頭を低くするように言われたこと、店の器材などが水にプカプカしていたなどと話していたのですが、急に涙ぐみ、「どうしようもない、おえりやあせんかった。」と言いました。短い言葉にすべてが含まれているようでした。でも、皆に会えたことが何よりうれしいと話していました。どうぞ、復興に向けて頑張ってほしいと願うのみでした。
 平成30年は、嬉しいこともありました。専教寺さんでは、ニューフェイス照さんお誕生! お会いする度に成長ぶりに目を見張るものを感じています。健やかに成長されますようお祈りいたします。
 今年も専教寺さんの門徒として、仏教婦人として、研修に、お聴聞に参加し、その都度お互いに話し合える場をもち、「南無阿弥陀仏」の和を広げていきたいと願っています。

 平成3 0 年7 月豪雨の発生直後より、救援物資を被災した地域に届けさせていただきました。
 その際、門信徒の方々が物資の提供にご協力くださいました。心より御礼申し上げます。

一乗山専教寺