専教寺の行事の門信徒参拝を、コロナ禍により中止するようになって、2年以上が経ちました。4月の永代経法要、11月の報恩講法要は、寺族のみでお勤めしています。その時期になると、いつも家族で話すのは、お斎のことです。「いつもならこの時期から仏婦の役員さんが集まって計画していたね。」とか、「お斎を作ってもらって、みなさんでいただけたのは、本当にありがたかったね。」などということです。専教寺の行事を思い起こすときには、食事の味が一緒に思い出されます。
春の永代経法要のお斎は、ばら寿司を中心としたものです。秋の報恩講法要のお斎は、お赤飯に合わせて、煮物や白和え、玉子焼きなどが入ります。そのお斎作りに向けて、材料や分量の打ち合わせ、買い出し、下準備、そして当日の料理と盛りつけ、片付けなどを仏婦の方々がしてくださっています。
また、仏婦新春のつどいでは、お正月のお供えのお下がりとしてお餅をいただくのですが、その際、役員の方が、ぜんざいを作ってくださいます。そして、夏の子ども会では、子ども達が大好きなカレーライスを用意してくださいます。小さい子でも喜んでおかわりをする姿が見られました。
3年前、(ちょうどコロナ禍に入る前)「いつも仏婦役員さんの長年の経験にお任せしているけれど、だれが参加しても分かるレシピのようなものを作っておこう」と思い、役員さんに聞きながら、報恩講法要のお斎作りの時間と手順を整理したものを作ってみました。書き上げてみると、全体を見通した上での完璧な下準備や、当日はさまざまなことを同時進行で上手に分担されていることなどに驚き、すばらしいと思いました。
先日、仏婦の役員さんで、長くお斎作りに関わってくださっていた方と話す機会がありました。その方は、「お斎作りは楽しかった。買い物に行くのも、作るのも本当に楽しかった。」と懐かしみながら、話してくださいました。それを聞いて、同じく懐かしい気持ちになったのと、「楽しい」と思ってくださっていたことに安心しました。と言いますのも、大量の材料の買い出しを、高齢の役員の方々にしていただいているのが申し訳ないという気持ちと、何日も前から集まって相談したり、準備をしたりするのは、大変なことのほうが多いのではないかなと思っていたからです。参拝の皆さんが、おいしいと喜ばれるお斎が調えられる仏教婦人会のおもてなしの心を、ありがたく思います。
改めて、仏教婦人会の活動に支えられていることを感じ、感謝いたします。
そして、法要の門信徒参拝が再開し、皆様とお斎を味わえる日が早く来ることを、心から願っています。
『仏婦だより』の紙面に、季節の挿絵を入れさせていただいています。それらはすべて、門信徒の内村寿美子さんの作品です。内村さんは、絵手紙作りをされています。毎回、専教寺寺報や仏婦だよりの挿絵をお願いすると、快く受けてくださり、季節にあった素敵な絵を届けてくださいます。ありがとうございます。
内村さんは、平成30年西日本豪雨で被災されました。つらく、大変な思いをされながら頑張ってこられました。そして、専教寺仏教婦人会から支援として送らせていただいたパーカーについてのお礼を、書いて送ってくださいました。
会員の皆様、内村さん、改めてありがとうございました。